東部市場前

過去から来た猿

4月期新番におおむね目を通した人間の肖像(挨拶)。
百花繚乱サムライブライドのスカム感あふるるアトモスフィアが大変宜しいですね。墨絵風の流麗な背景にのっかって、Niθの手によるドレスコードということばの意味がわからなくなるほど傾いたコンセプト一辺倒の恰好の・というかどこかの格ゲーで見かけたような、戦国BASARAも真っ青というほどにもはや元ネタ戦国武将との関係窺いがたき美少女ヒロインが、絶妙にズレたセンスのもとどこまでもボケ倒していく。ハーレムっちゃハーレムなんだけども骨折したサービスシーン。乳とかパンツとか見えても特にうれしくないこの感覚。バトルでシリアスに寄せるようでいて結局揺り戻すような処理の巧みさ。大日本、マスターサムライ、ダークサムライ、ひいてはトゥルーシャドー(真陰)といったタームの脱力感と相まってスカム感の充満する領域へ誘ってくれるわけです。
フィクション柳生は荒山徹くらいしか知りませんが、こうも斜め上の方向に打ち上げてくるとは思わなんだ。美少女化とか問題ですらないという。

この通り、ツボを突かれまくっており大変に楽しんでいるわけですが、仮に最後までこのまま突き抜けてくれたとしても多分BDを買いはしない自分を見下げ果てた野郎だと思いもする。何だかんだで大作・王道信仰から抜け出せないわけですよ。

他にもいくらか観てますが、サムライブライドに加えてレヴィアタンのまた少し違った静かなズレ具合と、むろみさんのはーいスゴい作画ですよーってアングルをおもに注視していきたいなー、と。

ついでに新番、変態王子の話。
記録によれば原作を2巻まで読んでいたようだ(読書メーターによる記憶の外部化)。
この通り、記憶も朧気であるのでイマイチ確証に欠けるのだが、舞台の街並みにはジブリ的な東京郊外・多摩丘陵の風景を想定していて、一本杉の丘もあれほど大きく高く聳えはしない、変哲のない小山だと勝手に思い込んでいたので、まあそれはそれで残念ではあるわけですがさておき、盆地のさなかであることも相まって、世界の中心であることを視覚的に表現した処理なのかな、とは。
ところでやはり朧気な記憶によれば、作者一流の筆力によって変態のモノローグとセリフでぶん回す語りの話ではあったはずなので、まあアニメにすると変態王子によって音声空間が埋め尽くされるわけですね。より精確に言えば、そうしないことも出来たのかもしれないが(1話の)制作スタッフはそうすることを選んだ。ここで梶裕貴の人の声はその根源的な人の良さといいますかイヤらしさに乏しいところが適切にはみえる(きこえる)けどやっぱり原理的に鬱陶しい。おんなのこの種々のかわいみ目当てでアニメを視聴してる向きとしては彼女らの声をもっと聞かせろとはどうしても思ってしまうわけです。まさにそのようにヒロインたちの声を音量・時間・印象において圧倒するこそが演出の意図ではあろうて、だから言っても詮無い話ではあるのですが。