東部市場前

過去から来た猿

WA2が終わった(感想としてはただただ爆笑しうんざりした。嫌いになったわけではないがうんざりした)のでWAをはじめました。PS3版。
高校の小論文でもなし、安易な比較論は宜しくないが、WA2はキャラクタを囲い込むように・逃げ場の無いように周到に描き出すため彼らも私も展開に追い込まれ疲労する。WA"2"とはいうもののむしろ『君望』後の作品の感はあって、ひたすらにしつこい。対してWAは細やかに多面的にそっと言及しその先を指し示すのでこちらは適度に想像を巡らせればよい。結果としてキャラクタが立ち上がる。どちらが善いということはなく、ただ各々に手法であるだけで、今の私はWAの慎ましさを好む。
それはそれとして、どいつもこいつも揃ってスノッブ野郎なのでウケる。特に緒方英二なんか、冬弥の衣服のテイラーはどこだとか訊ねてくるくだりは勘違いした才人らしさ全開ではないか。影響されてエントリの文体まで気取ったスノッブじみてきやがる。

モーションポートレート。吐息の白さがよいですね。
だいたい立ち絵が動くというのはそれだけで落ち着かなくて好きではないのだが、理奈ちゃんのそれは例外で、つややかに豊かな髪が決め手であろうか。会話選択時の静止した立ち絵は彫像のように美しく、めったにないことに見蕩れてしまったのだが*1、動いたら動いたでとてもかわいい。おそらく冬弥が話しかける→動く、というスイッチングの関係が肝で、動かない-彫像=偶像=アイドル-美/動いてる-手の届く相手-かわいい、という対立的な系の機序がある。もっともこの仮説で更に動く-アイドルのライブシーン-大して惹かれない、ところのアニメーションムービーを説明できないのだがまあ、それはそれ。
エンディングを見たのだけれど、アイドルである/アイドルでない、という対立項の渦中にあってこそ理奈ちゃんにとっての冬弥はかけがえの無いひととして立ち現れるので、程々のところで復帰させておかないと(「アイドルであった人」にさせてしまうと)冬弥は早晩捨てられてしまうだろうなあ、と。それも「このままズルズル付き合っていたら貴方はダメになってしまう」なんて思いやりでもって。

マナ。子供。戸松。よい。

新鋭アイドル/トップアイドルが平野綾水樹奈々、というキャスティングは今となっては落ち着かない。なんだろう、歯と歯の噛み合わせがあわない感じ。

*1:立ち絵といえば『運命が君の親を選ぶ 君の友人は君が選ぶ』の梨鈴と枢は一部の隙もなく極っている。http://white-soft.jp/products/unmei/character.htm トップの左2人。一見の価値はある。