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忙しくなるとブログが書けなくなるというのは単に時間が取れないからというよりも脳のリソースをその手の思考に割り振る余裕が無くなるからだと最近知りました。つまり出家も一段落し落ち着いたという。
亡国のアキト1章観覧。
- 赤根和樹という人の監督作品に触れるのは実際これが初めてなのだけど、本作について言えば何じゃこの神山健治S.A.C.を経由したオシイズムはーって感じ。奇しくも上映前の予告でサイボーグ009の監督として挿入されたその名前は冒頭の多脚戦車めいた機動を取るナイトメアでほのかに予感させ、坂本真綾の声によって下支えされながら後半のモダンな高層ビルが林立する都市廃墟の光景、高速道路とホームレスの対比によって確信をもたらし(どこのイノセンスか2nd GIGか!)、エンディングはイントロに鳴り響く菅野よう子感全開のアレンジで言葉を失う、という一連の経過であったわけです。
- まあレイラがノーブルでえろいわけです。薄い本はよ。
- それはさておき、貴族の出がみなしごになって金持ちに拾われフィアンセにいたぶられているところを救い出される、というのはもうどうしようもなく女子向けボンクラファンタジーだったのでそっちの人には堪らないのかなーと思いました。王子様としてのアキト。
- 坂本真綾というのは(男オタが想定する)女オタ受けする投影対象であるところの主人公キャスティング、として適切にみえるのでして。鼻につかなさそう、という。
- 冒頭の戦闘は非常によかったです。ぱぶ氏が薦めるだけのことはあった。湿地帯の密林(最初はアマゾンかと思った)で繰り広げられる現代最高の3DCGロボットバトル(と言い切っていいほど物を見てきたわけではないけど)。ただまあ、スマプリのEDみたいなもんで、wZERO部隊のナイトメアは動かしたときの恰好良さ最優先で作ってるとおぼしく、止まるとドロッセルみたいでびみょい。
- レイラが唐突にフロレアルとか言い出すので思わず「元長柾木!」と叫びそうになる。革命暦が継続しているのである。
- ミカエル騎士団長の人はどうしてあんなにジオンめいた恰好なんでしょ。
- 反逆のルルーシュで谷口悟朗が仕込んでいたナショナリズム要素は実際只のフックに過ぎないわけですが、何故その視点を本作も踏襲しているのかというと多分、視聴者の感情を効率的に揺り動かせるからではあるのかな、と。イレブン=旧日本人に対する差別の描写なんかになんとはなしに引っかかりを覚える、その時点ですでに掌中に乗せられていて、モヤモヤした気分は他の種々の描写によって感情的に高められ、観る者を作劇へと引き込んでいく、ような。
- これと関連して、今回のユーロピアンは共和制であることがしきりに強調されるんだけど、まあつまりこの世界のアメリカがモチーフのひとつではあるんですよね。ブリタニアがああなのでその役割はここに委ねられる。自国の兵士が死ぬと国民に批判されるので戦争がやりづらい、とか旧日本人を隔離したり専用の部隊を編成したりする、とか。
- エンドカード、投入したキャラ数に対して尺が絶対的に不足してるので要素だけ提示して勝手に想像してくれ感が露骨なんですが、わけても香坂アヤノのそれはあざとすぎてどうかとおもいました。おじいちゃんが日本刀見せてくれるとかよくない。
- 本篇中の置かれ方(白っぽい服装で、欄干なんかに腰掛けて足をぶらぶらやる)は3人合わせていかにもな雰囲気があって好みですね。
- ところで佐山リョウさんのあのサンライズアニメにこういう人いるよね感は何なのか。
- 本篇中の置かれ方(白っぽい服装で、欄干なんかに腰掛けて足をぶらぶらやる)は3人合わせていかにもな雰囲気があって好みですね。
- C.Cなんか、エンドカードでは池の畔に佇むフードからこぼれる緑髪にこれはもしかして……!と期待させておいて直後の予告で速攻フードを脱いでネタばらし、本人確定なので鼻白むものである。
- 予告といえば、黒バックに白字の明朝体で「予告」と表示されても例の「デケデケデン!」ってBGMが挿れられないので、あーこれは谷口悟朗監督作品・テレビアニメ・反逆のルルーシュではないんだなーと謎の納得を得ました。でもC.Cとかスザクは普通に出てくるっぽいのがナニ。
- あ、外部要素としては、公開2週目とはいえお盆休み初日ということもあってか8割方埋まっていた小さめの箱の前列に座っていたためか、本篇開始直前まで後方から襲いかかるオタトークの嵐が凄まじかったです。
- 序盤は静かな場面だと隣のシアター由来とおぼしき爆音が壁から響いてきて参りましたね。防音くらいまともにしろよっていう。まあ程なくして気にならなくなりましたが。
こんなところ。