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東部市場前

過去から来た猿

すぴぱら#01.
そこそこ面白い内容で、シリーズ物ではあるけれど単巻でおおむねケリがついていて、そして続きが大して気にならない(けど出たら多分買う)、等々幾つかの点でまほよとパラレルではあって、こうしたつくりが取られてしまったことに、制作者が直接明言しているような理由や意図の類とは別の次元における、18禁・非18禁、あるいは美少女ゲームであることともまた異なった軸としてのPCゲーム市場の限界を見ないでもない。
気取った言い方はやめます。つまり、魅力的な謎や伏線をして「以下次巻!」と大見得を切ると怒る人たちがいるという話。形式上のハンディがあるにしても、多くは慣習によるものであって、貧困なことだと思うわけですが。

ところでどうしてこういう愚にもつかない話をしているのかと言えば、現時点では踏み込むような内容がさして見当たらないからで、何せ区切りはついていようとも完結はしていないのだから斬り込みにくいことこの上ない。さしあたってD.C.やefと比較してもよい、というかアリスやアンジェはあからさまにそうであるのだが、そうした意欲を刺激するほどの何かでは今のところ私にとっては無い、という所感ではあるわけです。
画面については言い出せば愚痴が止まるところを知らないのだけど、まあ、きわめて情報量が高いのでゆっくりプレイするのがいいのでしょう。

ひとつだけ言うなら、これは好みの話になってしまうけど(かろうじての正当性の確保)、「すべての人間に、無理矢理にでもハッピーエンドになってもらうさ」というのはもうどうしようもなく間違えていて。まずアリス自身が自明に間違えているし、アリスが間違えているかそうでないかを問題とするような状況の置き方そのものが間違っているし、ひいてはこれを置こうとするような問題意識もやはり間違っているし、もう何もかも間違えている。もっともそのような大衆性と憚ることなく寝てきたのが御影であることは言を俟たないだろうけども。
まあ、どこまで真田幸成の前提をズラし解体してみせるのか、たとえば天王寺瑚太郎がそうされたような劇的さ、身も蓋もなさでもってではなくパズルのような相対的細やかさでもって、という点が楽しみではないでもない。